積み重ねのなかで見えてきたもの - LARICH 2年目を振り返って

積み重ねのなかで見えてきたもの - LARICH 2年目を振り返って - LARICH

LARICHとして2年目を迎えた2025年。

 

各地での個展開催やコラボレーションジュエリーの発表など、新たな取り組みに向き合い続けた一年でした。

 

その活動内容を振り返りながら、LARICHの今と未来について、ブランドディレクター松本氏に話を伺います。

 

──2025年を振り返って、どんな一年でしたか。

 

松本 ジュエリー事業全体を通して、多くの出逢いに導かれた一年だったと思います。国内外における卸や小売の現場での出逢い、お客様との出逢い、そして宝石そのものとの出逢い。その一つひとつに向き合いながら、立ち止まり、考え直し、自分なりの判断を重ねてきました。振り返ってみると、そうした出逢いをきっかけに、自分自身の考え方や判断基準が少しずつアップデートされ、その変化がLARICHの輪郭にも反映されてきたように感じています。思いがけない出逢いも含めて、続けることの意味をあらためて実感した一年でした。

 

──前年との一番大きな違いはなんでしょうか。

 

松本 2025年は、これまでオンライン上でしかやり取りしていなかったお客様やSNSのフォロワーの方々と、実際にオフラインでお会いする機会が大きく増えた一年でした。同じ空間で宝石を前に会話をすることで、これまで見えていなかった反応や空気感に触れることができたと感じています。オンラインから始まった関係性と、オフラインで始まった関係性とでは、距離の縮まり方や深まり方に違いがあることも実感しました。

 

──関係性という点以外にも、お客様に変化を感じたことはありますか。

 

松本 SNSの影響もあり、お客様の審美眼が磨かれていると感じています。石合わせや加工のご相談では、色味やプロポーション、全体のバランスなど、着目されるポイントが以前より細やかで具体的になってきました。その中で、「なぜこの石なのか」「なぜこの組み合わせなのか」といった判断の背景まで含めて受け取ってくださる場面が増えてきたように思います。

 

 

──印象に残っているお客様のエピソードはありますか。

 

松本 個展にお越しいただいた、あるお客様のことが印象に残っています。複数の石を手に取り、明るさの違う場所へ移動しながら、手元でゆっくりと向きを変えて見比べていらっしゃいました。静かに石と向き合う姿を拝見して、どこか自分自身の感覚と重なったことを、今でもよく覚えています。

 

──お客様、LARICHともに変化する中で、手応えを感じたことはありますか。

 

松本 作品の仕上がりだけでなく、設計や石選びに込めた意図まで含めて受け取ってくださる反応が増えてきたことです。こちらが言語化しきれない部分まで汲み取っていただける瞬間があり、そうした反応が日々の取り組みを支えてくれているように感じます。

 

──見つめ直すなかで、学びとなったことはありますか。

 

松本 美しさや価値は、完成した瞬間だけで決まるものではない、という認識自体は以前から変わっていません。ただこの一年を通して、ルースであってもジュエリーであっても、決断に至るまでの時間そのものが、多くの方にとって大切な体験になっているのだと、あらためて実感しました。そうした気づきを通じて、これまで以上の専門的な解説や言葉の添え方についても、より丁寧に意識するようになりました。

 

 

──2026年が始まりました。これからの1年で挑戦したいことはありますか。

 

松本 新しいことを次々に増やすよりも、これまで積み重ねてきた取り組みを、もう一段深く掘り下げていきたいと考えています。LARICHらしさとは何なのかを自分自身に問い続けながら、一つひとつの企画や表現を丁寧に磨いていく。そうした取り組みの延長線上に、次の展開が自然と見えてくるはずだと思っています。

 

──LARICH3年目の活動も楽しみにしています。最後に一言お願いします。

 

松本 これからもLARICHとして、宝石と向き合う時間そのものを楽しんでいただける場をつくり続けていきたいです。そうして生まれるひとつひとつの体験が、皆さまのジュエリーライフのなかで、記憶に残る時間となれば嬉しいですね。

 

──本日はありがとうございました。

 

 

ライター:南口太我

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